「タカタ」の経営破たんについて思うこと

タカタがついに民事再生法の適用を申請した。

社長兼会長が記者会見で経営破たんについて謝罪していたが、製品の不良については未だに謝罪していないという。

これまでの印象では、社長兼会長のメディアへの露出は多くない。製品不良についても経営状況についても、公の場に出てきて十分な説明責任を果たしてきたかどうか、疑問の声もある。

タカタの企業体質として、リコールなどは自動車メーカーがやるべきことで自分らの責務ではないと考えていた節があり、悪い意味で「部品納入業者」という自覚しか持ってなかったのだろう。

エアバッグの世界シェアは2割と報道されているのを聞いてちょっと驚いた。もっと圧倒的なシェアを持っている印象があったのだが、それでも世界で2位らしい。

比較的急激に世界シェアが向上したことで、いつの間にか「グローバル企業」となってしまっていたことに経営者のマインドが追いついていなかったのではと想像する。何かあっても世間に対しては自動車メーカーがまず責任を負うべきと考え、自分たちは世間と向き合うことなく、自動車メーカーに対してのみ責任があるという考え方から抜け出せなかったのだろう。

また、社長兼会長の記者会見からは、プライドが高く、製品に自信があり、外部からあれこれ言われたくないという、この人物の人柄が垣間見える。結局は、危機的な状況を好転させるも悪化させるも、経営トップの人間しだい。

タカタの株価は3年半前は3,000円、2年前でも1,400円をつけていた。そこからたった2年で破綻となっている現実を、多くの企業経営者は直視して我が事のように捉えるべき。

でも、多くの経営者は新聞やテレビでタカタのニュースを耳にしながらも、自分が経営者であるうちは何も起きないことを祈りながら、今日もまた昨日の続きで、役員フロアで忙しく目先のイベントをこなすだけなのだろう。

次はどこだろうか。