「立ちスマホ」も迷惑です

世間では「歩きスマホ」が横行しマナー違反が申し訳程度に言われているが、実際はもはやマナー違反を口にする人たちもきっと歩きスマホしてるんじゃないかと思えるくらいの蔓延ぶり。

 

歩きながらだけでなく、実は「立ちスマホ」も相当迷惑。狭い駅のホームや混んだ電車の中で、歩道のど真ん中で、エレベーターの中で自分の世界に没頭する。回りは大勢の人が行き来する状況で、傍目から見たらボーっと立ちつくして動かない。決して回りを見ようとしないので、自分がどんな状況に囲まれているか気付かず、気にせず、当然のことながら回りに迷惑にならないように隅の方に移動するとかスペースを空けるとか、気配もない。

 

全員が根っからの傍若無人な無法者というわけでもないだろうが、でも「ついうっかり」とか「ちょっとこのくらいなら」とかいう甘えが根底にあるし、「自分は大丈夫」と何の根拠もない自信だけを備えた者もいるように見える。

スマホと同様に「歩き食事」も公害化しつつある。その辺のコンビニで今買ってきたばかりとおぼしき菓子パンやおにぎりをムシャムシャ食べながら普通に道を歩く輩を見かける。匂い、細かい食べ屑、咀嚼音を回りに振りまいているのだが、本人はいささかも気にせず、やはりスマホに夢中なのがお約束だ。中にはそれがイケてるとさえ考えているように見える者もいる。

 

未熟なガキじゃないんだから、一歩外に出たらそこはもはや自分のプライベート空間じゃないので何でも許される訳ではないことぐらい自覚出来ないのかと思う。大人の品格、というものと一生無縁に生きる人間は残念ながら沢山いるし世代を超えて受け継がれてゆくのだろう。

 

公共広告機構とか、ネットに視聴者を奪われたTV局や新聞社などが、もっともっと「歩きスマホ」「ながらスマホ」に対する批判、啓蒙を強化し、取り締まりや罰則の法整備、強化に向けて大キャンペーンを展開してもらいたいものだが、大手電話会社、通信会社のチカラが大きいのか、ますますスマホは広まり、どれだけ一日のうち長い時間、肘をまげてうつむいた姿勢でいられるかを競い合っているような連中が蔓延る状態は続いてゆく。